私の「最近オモシロ楽しかった本」です。
といっても読む本ではなく、お母さん(おばあさん)たちが作った、「おかんアート作品」の作品集です!
Museum of Mom‘s Art
~探すのをやめたときに見つかるもの~
著者:都築 響一
発行所:ケンエレブックス
2022年6月30日 初版第1刷発行
定価3000円+税
店頭で平積みされていたこの作品集を見た時、カワイイぬいぐるみの写真集かな?と思ってつい手に取ってしまいました。
カバーもついて、カラーリングも可愛い。表紙は略して「MOMA」のタイトル。って、MOMA?(そんなわけはない)なんて思いながらページを繰っていくとそこには…!
見たことのある、お母さんたちが作った「作品」の数々が。カワイイぬいぐるみの作り方の本じゃなかった。しかもあれもこれも、見たことある。
手の込んだものから、あれ…?と拍子抜けするゆるキャラ顔負けのものまで…めくるめく謎キャラワールドが展開されていく…!
私は店頭で一度手にして迷い、二度目には肩を震わせてしまったため購入してしまったという、ジワジワとくる作品集なのです。
・著者:都築 響一(つづき きょういち)氏とは
1956年生まれ、写真家であり編集者、ジャーナリスト。
写真家としては第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。雑誌POPEYEやBRUTUSなどの編集を経て現代アートや建築、デザインなど多岐にわたる分野の執筆や編集活動を続けています。
私としては、サブカルチャー分野の面白さが際立つような印象があります。
これはサブカルチャーとは違うのですが、とても関心をもったもので日本の「BORO」をテーマにした本や写真がありました。浅草にあった布文化と浮世絵の美術館(2019年3月閉館)では、日本のぼろ布をテーマとした特別展「美しいぼろ布展~都築響一が見たBORO」での写真の撮りおろしなどがあり、BOROに関する出版も手掛けています。
・Museum of Mom‘s Art
~探すのをやめたときに見つかるもの~ 概要
2022年1月~4月に東京都渋谷公園通りギャラリーで開催された
「Museum of Mom‘s Art ニッポン国おかんアート村」をきっかけに作られた作品集です。
またこの展覧会に関しては一部で炎上したとの情報もありました。
なにが炎上したのか?
調べてみると、「おかん」というくくりに対してだったり、そもそもこれはアートなのか?といった声だったり...
私の個人的な思いからすれば、もっとおおらかに楽しめばいいじゃない?というところです。作品集をみていると、そんな争いごとには巻き込まれないくらいの存在感を放つものばかりなのです。
・Museum of Mom's Art
~探すのをやめたときに見つかるもの~の面白さ。
そうした愛すべき作品たちを前に、都築氏の冷静な分析と紹介文、実際に作者のアトリエを取材しているところもまた面白く読み入ってしまいます。それがよりアートに昇華させているようにも感じながら。
都築氏は本作の中でこう述べています。
プロのアート作品にも、アウトサイダー・アートすら存在しない、おかんアートのいち破壊力に気がついて、恐る恐るおかんアート探索に足を踏み入れたのが十数年前のこと。
Museum of Mom‘s Art ~探すのをやめたときに見つかるもの~ より
そう破壊力。売るものではないから、自由奔放、他人がどう思おうとわが道を行けるのです。私はこういうところにも惹かれます。強いなと。
この作品集を見ていると面白くって楽しくって、いつの間にかニヤニヤしてしまいます。でも作っているご本人たちは一生懸命制作されているのだろうと想像すると、なんとも愛おしい作品たちなのです。
その作品たちから元気がもらえて、じっと見ているとクヨクヨ悩んでいたことなどぶち壊してくれる破壊力、想像を超える創造、それが「おかんアート」。
そして本書はその魔法のような秘めたチカラをあますところなく感じることができるのです。機会があったらぜひ手にとって見てみてください。
あなたもなにか作りたくなるかもよ!?
初めの写真は私の数年前の手工芸サンプルと作品です。利用者さんたちも喜んでくれた「毛糸モップくん」。歯ブラシの柄と毛糸で作ります。でも汚したくなくて掃除出来ないです。
今日のときめきBGM
ボストンバッグ / 成田商事