2023年1月31日に渋谷の東急百貨店本店が閉店となり、Bunkamuraもオーチャードホールを除いて2023年4月10日から2027年(時期未定)まで休館になるとのこと。
百貨店のほうはあまり行かなかったのですが、Bunkamuraでは気になる展覧会があれば行っていたし、美術館のショップも好きでした。
しばしのお別れが近づいてきたので、観たい映画もあり行ってきました。
映画は邦題「アンドレ・レオン・タリー 美の追求者」です。
※英題 「THE GOSPEL ACCORDING TO ANDRE」
私は今まで彼のことを知らなかったのですが、映画「プラダを着た悪魔」での敏腕アートディレクター、ナイジェルのモデルになった人物だそうで。
「プラダを着た悪魔」はファッション業界の一遍を垣間見るようなワクワクや、最先端の高級ブランドが次々と出てくる眼福なシーンも印象的な映画です。
その中で主人公の悩みを聞いたり、ファッションのアドバイスをしてくれる頼もしい敏腕アートディレクターは実在の人物をモデルとしていたと知り、とても興味が湧いたのでした。ドキュメンタリーとあってはなおさら観てみたい!
映画のポスターはアンドレご本人です。
アフリカ系アメリカ人で初めてのVOGUEのクリエイティブディレクター。アメリカのVOGUE編集長であるアナ・ウィンターの右腕ともいわれてるほどの審美眼・ファッションセンスを持ち合わせていたアンドレ。
この映画の中で語られる黒人であることへの差別があった時代や性別の壁、たくさんの困難を乗り越えて自身のファッション美学を貫いてきた彼のストーリーは、大変な道のりだったのだろうなと想像します。
本人のインタビューの中で時々みせる悲しそうな表情からも、そうした彼の思いを感じさせるのです。
特に日本では感じづらい人種差別や、近年よく耳にする性別の問題というのは現代でこそようやく少しずつ変化しているようにも見えますが、簡単に解決することではないでしょう。
でもそうした見えない壁をもとっぱらって、彼の審美眼と人柄に多くの人びとが惹かれ、また勇気をもらった人もいただろうし、人種や性別の差別と闘う人びとにとってもファッション業界においても、大いなる光になったことは間違いないと思います。
2022年1月18日に73歳で天国に召されたアンドレ・レオン・タリー。
ファッションは儚く、スタイルは永遠。
彼のファッション美学だけではない、生き方そのものの美学をみたような、そんな映画でした。
Bunkamuraは2027年まで4年に及ぶ休館を予定していますが、活動は場所を変えて継続していくそうです。
そんな中なんと写真家ソール・ライターの展覧会が再び!!
今年2023年7月8日から渋谷のヒカリエホールにて第3弾となる企画が開催予定とのこと。近年発見された未公開作品を中心とした内容のようで、ソール・ライターのどんな視点が見られるのか楽しみです。
今日のときめきBGM
RUN / B'z