ひとさじのときめき

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ポール・ジャクレーの新版画に会いにいく。

今日は午後から自由時間ができたので、大急ぎで観たかった展覧会へGO!しました。

それは原宿の太田記念美術館で開催されている「ポール・ジャクレー~フランス人が挑んだ新版画~」です。

ポール・ジャクレーの展覧会

この精密な絵は、イラストレーションじゃないのです。版画なんですって!

ええ、私の版画のイメージと言えば小学校の時に木板に彫刻刀で熱心に彫って、バランでインクを刷り込み…それだけでも大変な思い出しかないのですが。

って、もちろんそんなレベルではなく、こちらは版画といっても新版画と呼ばれるジャンルなんだそうです。

絵師、彫師、摺師の共同作業による作品ということで、浮世絵の進化版みたいなものなんでしょうかね?

Instagramでこの新版画というものを目にしたときは、「なんて現代的な浮世絵なんだろう?」と思っていました。まるで現代のイラストレーション!
そこですごく興味が出てきて、今回の展覧会を観にいきたくなったわけです。

このフランス人のポール・ジャンクレーという人は昭和9年(38歳)のころから新版画を続々と制作していったということですが、それまでの日本人による浮世絵とは一線を画す作品がずらりと並びます。

外国の人びとの生き生きとした生活の様子、ポートレートのような画。異国情緒あふれる、エキゾチックな浮世絵。

透かしの衣服の表現や線にならないモノの表現、独特の色彩、所によっては凹凸を取り入れた立体感も。浮世絵とも、日本画とも、はたまた活版印刷のような?

絵師、彫師、摺師の共同作業によるこの新しい浮世絵の表現は日本独自の職人技でもあるでしょうし、日本だけの繊細な芸術表現です。

作品によっては摺りを300回も行ったという画もあり、もうため息がでてしまいました。はあ~!!

むしろ1回目から300回目の変化の様を見てみたいものです。どんなふうに変化していくものなのか?よく途中でこれでいいかと思わなかったな~。

美を追い求めて追求するのが真の芸術家であり、職人技なのでしょうね。
それぞれの担当が極めたものを持っていないと、こんな素晴らしい作品は生まれないんだわ。

前期と後期で作品が全て入れ替えられるそうで、前期は6月28日(水)で終了ですが後期は7月1日(土)から始まります。

後期にはどんな作品たちに会えるのか!?楽しみです。

なんど見てもポール・ジャクレーの新版画にため息

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夏の日の1993 / class