ひとさじのときめき

BOOKS,ZINE/写真/つぶやきミックス

ZINE・リトルプレスに興味を持ったきっかけ

ZINEって聞いたことありますか。MAGAZINEのZINEをとっている言葉だそうです。
雑誌という意味の「マガジンより簡易的な」ということで、下だけ取って「ジン」。
リトルプレスは小さな出版物という意味合い。呼び方は違えど両者ともほぼ同義で、個人やグループが自由に表現した冊子のことです。
本よりもっとラフで自由なもの。

私は紙の媒体が好きです。
それは本だったり、チラシのようなものだったり、手触りの面白い紙だったり…名刺だって面白みを感じます。
そして活版印刷の味のある文字などが入っていたりすると、さらに見入ってしまいます。

デジタルでなんでも情報が手に入り、いつでも最新の情報が得られるのが当たり前になりましたが、実際に手に取ってその作者の気持ち、作品が持つ雰囲気や息遣いを感じるのは、やはり紙だと思っています。

振り返ってみると、私が小学生の頃の新聞作りといえばガリ版(謄写版)でした。インクのにおいの中、そのインクをローラーで伸ばした後にできる印刷物の不思議。インクで汚れたりちょっと手間はかかるけど、面白い作業でもありました。

大人になり、そういった個人が作る印刷物の面白さなどすっかり忘れていたころ、新宿にあるカフェでランチをしていたときに、一枚のフリーペーパーが目に留まりました。

それはそのカフェが発行している新聞のようなもので、食にまつわることやカフェのこだわり、はたまた経営に踏み込んだ問題まで様々な事柄が書かれていたのでした。

普段食事をするときにはそういうことに触れることがほとんどなく、特にお店の問題提起のようなことまでは知る由がありません。だから私はお店が真剣に物言う、この一枚のフリーペーパーに衝撃を受けたのです。

いやもう、すごいなって。

ただ、美味しいものを提供するだけではない、ということ。
ほかにも言いたいことがあるんだ、って。
そこで働く人たちの強い意思と思いが感じられる一枚の紙。

楽しく買い物して、ただお腹すいて「いつものあのお店いこー」くらいに入ったのが、お店出た時にはじわじわとお腹一杯とはまた違った、なんともいえない気持ちになってしまったのですから。

一枚の紙に込められた魂の言葉、といったらちょっと重い気がしますけれども、そんな感じ。

作り手の想いを伝える表現方法。
それがデジタルの、こういうブログみたいなものでも伝わるものは確かにあります。
でもパッと見て、ボタンひとつで違う記事にもすぐパッと飛べるものとは違うのです。紙の手触り、文字のあじわい、どこに置いてだれの目につくか、手にした人の気持ちまで考えて作るであろう一枚の紙の存在。
たぶんここが、私がZINE・リトルプレスに興味を持ったきっかけだったんじゃないかと思います。

 

私はおしゃべりなほうではありませんが、誰かが書いたものを読んだり、また自分で書くことは好きです。
でも「思っていることを相手にちゃんと伝える」ということは時に難しいことがあり、書くことでも誤解を生むことがあります。

こうして書いていても、なにが良い表現なのかを考えながら書いているのでとても時間がかかります。それこそ「文章の書き方のテキストブック」みたいなものを読んだりもしますが、基本を学んでも自分が思うこと・書きたい事に忠実になるので結局自己流…。

まだまだ磨きが必要ですが、それに自分が描いた絵や撮った写真、興味を持った分野に裾野を拡げて、ひとつのZINE・リトルプレスをつくってみたいという思いがあります。
小さな時のワクワクしたことを再び。

このブログを1年は運営すると決めたので、1年後くらいにはカタチにしてみたい。

そして最近こんなイベントあるんだ!と知ったイベント→文学フリマ。次回の東京での開催は11月20日の予定だそうで、行ってみたいなあと思っています。
楽しみ!

 

 

今日のときめきBGM
薔薇は美しく散る / 鈴木宏子