ひとさじのときめき

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Greg Girard  写真集で昭和の東京へタイムスリップ

ついに手元にやってきた。
カナダの写真家、グレッグ・ジラード氏(Greg Girard)の写真集「JAL 76 88」。

1970年代~1980年代の好景気にむかう日本。東京の繁華街のビルの谷間で煙草の匂いがたちこめるような、それでいてひっそりと静かな時間を切り取ったかのようなワンシーン。
1970年代生まれの私としては、この時代にぐっとくるものがあります。

国内でこの写真集を扱っていた一軒が売り切れで、直接Greg Girard氏のサイトを覗いて重版されていないかチェックしていたのですが、新たに国内の書店での扱いがあることを発見!!もうさっそく購入しました。

表紙の風景からして痺れます。ビリビリ。1979年の雨で濡れた新宿の早朝5時09分。
ページを繰っていくと、それはドキュメンタリーのフィルム映画を観るような感覚でした。

この写真集についてGreg Girard氏は

1976年の春に東京に到着し、数日だけ滞在するつもりで、最初の夜は街中を歩き回ったり、写真を撮ったりして過ごしました。朝までに、ここに留まらなければならないことがわかりました。
                             ~Greg Girard~ https://www.greggirardpictures.comより引用

と語っています。
数日滞在するだけの予定がそれでは済まなくなってしまったくらい東京という都市に惹きつけられた様子がうかがえます。
そしてこの「JAL 76 88」に載っている写真は、1976年から1988年にかけてと長い時間がかかっているのです。

写し出されたのは新宿、渋谷、池袋界隈の街並み、行き交うひとびと、サラリーマンの姿や人物の表情。そして夜の繁華街を照らすネオン...

いまとなっては人を写し出すのって、肖像権やプライバシーなんかの問題があって簡単にはいかないと思うのですが、やはり人物を写し出すのって面白いことです。

カナダ人であるGreg Girard氏の視点から眺めた景色。
刻々と変化していくきらびやかな表の世界と、絶景じゃない、映えない生活感がにじみ出たような風景。

東京の人びとの熱気と、静けさと。

こうして眺めているとまるであの時代のTOKYOの空気感に包まれていくような、そんな一冊です。

著者: GREG GIRARD
タイトル: JAL 76 88
発行年: 初版2022年
出版社: Komineck Books

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Under Vancouver 1972-1982

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